東大推薦・一般入試不合格体験記

もうそろそろ東大の推薦入試の面接試験が行われる時期でしょうか。この時期になると思い出します、僕も数年前東大の推薦入試を受けたことを。

結果はダメでしたが、推薦入試も含めた僕の受験生活の振り返りをここに書いておくことはもしかしたら不合格体験記としていつか誰かの役に立つこともあるかもしれません。(こうしたら受かるよといった対策法は書けません。落ちてるんですから。)

受験で失敗するポイントが詰まっているので、受験生の方は他山の石としていただければ嬉しいです。

(アイキャッチ画像出典：https://pixabay.com/ja/photos/%e5%a4%a7%e5%ad%a6-%e6%97%a5%e6%9c%ac-%e6%9d%b1%e5%a4%a7-%e6%9d%b1%e4%ba%ac-%e7%a7%8b-2127450/)

高校生の僕、東大を目指す

僕は高校生の頃東京大学を目指してました。理由は簡単です。日本で一番の大学だし、エリートになれそうだったから。

こう言うと、なんか思いあがっている嫌なやつを浮かべるかもしれませんが、高校生のころの僕はまさにそういうやつでした。

ただ、そういう性格を他人に見せると嫌われてしまうことはあきらかなので、こっそり心の中で天上天下唯我独尊と唱えていました。僕は東京大学が自分にふさわしいとさえ思っていました。

ただ何の根拠もなくそう思っていたわけではありません。まあ思いあがった性格自体は生まれつきのものですが、それを強化してしまうことが高校生活で何度かあったのです。詳しくは書きませんが、部活で賞をとったり、コンテストに応募して賞をとったりしてました。学期初めの表彰式が楽しくて仕方ありませんでした。賞をとるたびにますます思いあがっていきました。

ついに受験期をむかえる

高校3年生になって受験勉強が始まりました。はじめのうちは、エリートになるため、東大に合格するために真面目に受験勉強をがんばってました。

毎日学校が終わると塾に行って4時間くらいは勉強していたと思います。ゴールデンウィークには3日で平均15時間勉強したりしてました。(今でも当時の精神力は謎です。大学生活でも必死に勉強しなければいけない時期はあり、当時できたんだからと思ってやろうとするんですが、いまだに達成できたことがありません。)

その努力の甲斐もあって、夏の駿台実践という模試で東大A判定をとることができました。うれしかったですね。ところがあんなものとらなければよかったと何度思ったことか。

思い上がりは頂点に達する

東大模試でA判定をとったことで僕の思い上がりは再燃しました。これまでよりもずっと強く。ああ、やれば僕は勉強だってできるんだと。万能だと。

当時は地頭が僕より優れているやつはこの世にいないなんて本気で思っていました。今から考えると本当に馬鹿みたいですが。

それでどういう発想になったかというと、受験勉強はもうそんなにやらなくていいやってなりました。まあ受かるんじゃないかと。

東大推薦入試について知ってしまう

そんなある日、先生が東大の推薦入試を受けたい人はいないかとクラスで問いかけることがありました。調べてみると、推薦入試で入れば、普通の一般入試で入学した人と違う特別なプログラムが用意されているようじゃないですか。

例えば一、二年生のころから学科に所属して学科の先生がついて教育を受けることができるとかです。(一般入試では東大は学科ごとに受験を受けるんじゃなくてもっと広い枠で受験します。受かったら東大では一、二年生はリベラルアーツを学びます。そこで進振りで成績順で学科に入ることができます。)

それを知って僕はどうせ東大に入るんならそっちで入りたいなと思いました。特別感もあっていいなと。何より一般入試で入った人たちよりも早くから専門的な教育を受けられることは、よりその分野で将来的に活躍できるできるチャンスが高まるように見えて魅力的でした。

そして、どうせ受験勉強はもうあまりしない予定だったので時間もありました。

東大推薦の枠を校内で勝ち取る、そしていろいろ間違える

そこで僕は東大の推薦入試を受けたい旨を先生に伝えました。東大の推薦入試は各学校ごとに男女一人ずつの応募枠があるのですが、たくさんもらった賞のおかげで学校内の選考は通過し、無事推薦入試を受けられることになりました。

ところが賞の主な目玉は数学のコンテストでの入賞だったのに、僕は何を血迷ったのか願書は生物系の学科に出してしまいました。生物なんて全然詳しくありませんでした。そもそも理科の選択科目は物理と化学で勉強していたので知る由もありません。

謎の自信というのはときには何かに挑戦するきっかけを与えたりしてプラスに働くこともありますが、この場合は無謀な決断でした。

推薦入試を受けることになってもともとあまり勉強するつもりではなかったのがさらに勉強する気がなくなりました。推薦入試を受けることになっても一般受験の対策はきちんとするというのは受験での鉄則なのですが、相変わらずずっと受験とは関係ない別のことをして日々を過ごしていました。

面接の当日の感触

ついに12月の面接の日がやってきました。

当然面接で生物の質問をたくさんされ、どれにも答えることができずにただただ「わかりません」と首を横にふるだけでした。本来30分の面接時間を15分で終わらせて(終わらせられて)部屋を出ました。

不出来なのは自分でもわかっていましたがなぜか総合的に見れば受かったかなとか思っていました。

東大推薦の合格発表の当日

1月の終わりくらいに推薦入試の結果の発表がありました。パソコンで自分の受験番号を探しましたがそこに自分の番号はありませんでした。

ショックでした。さらにショックだったのは同じ学校でもうひとり東大の推薦入試を受けていた女子生徒が合格していたことです。表には出さないものの、ひそかに悔しかったです。

当時は僕は自分の方が合格する可能性が高いと思っていたので、なんで彼女は受かって僕は落ちるんだ、何かが間違っているんじゃないかと思っていました。

焦りだす、しかし、やめる

秋以降勉強してこなかった僕ですが、このときはさすがにまずいと思いました。秋にも模試がありましたがそこでは河合の東大オープンがB判定で、駿台の東大実践がC判定でした。

夏の貯金があったからまだその結果だったのであって、受験生が猛勉強する秋冬全く勉強していなかった僕の現状の学力は相対的にさらに下がっていることは僕もわかっていました。そこで受験勉強を再開しようと決意しました。

けど一日やってばからしくなってまた受験勉強をやめました。あと2週間しかなかったんです。2週間でなにが変わるんだと。この2週間勉強したところで勉強した内容が試験に役立つ可能性なんてあるのか、仮にあったところで合否を変えるほどのものかと。

ところがまだせめてこの時勉強しておけばよかったと思います。当時は2週間という期間を見くびっていました。実際には2週間あれば結構いろんなことができます。

特にここで英語はちゃんと毎日やっておけばよかったと思いました。当時はもうけっこう英語の感覚が鈍っていましたから2週間やって感覚を取り戻すだけでも結構違ったんじゃないかと思います。

東大二次試験の日がついに来る

東大二次試験本番の日がやってきました。数学が比較的得意科目だったのですが、試験当日はなぜかさっぱりわかりませんでした。試験当日頭がパニックになったことを覚えています。

結局後で知ることになるのですが、試験本番の数学の点数は、僕が今まで東大模試でとった一番低い数学の点数の半分くらいでした。高校2年生に受けたときにとった東大模試の数学の点数よりも低かったです。

それでも終わった後はなぜかまあギリギリで受かったかなとか思ってました。思いたくて必死だったのかもしれません。

東大二次試験の結果と当時の心の動き

結果は不合格でした。

タイトルにもある通りです。絶望しました。途中まで2回も受けるんだしまあどちらかは受かるだろう、なんて思っていた自分が情けなくなりました。

そして余裕こいて全然勉強してなかったことの後悔の念がわきました。そして結果が不合格だった悔しさというよりもむしろ自己嫌悪の念、自分はなんてダメな奴なんだろうという感情に支配されました。

そして当時は人生が終わったと本気で思っていました。ふつうはそこまで受験に落ちたくらいで人生が終わったと思う人はなかなかいないと思います。

ところが僕は当時前にも書いた通りですがエリート志向が強く、一点の汚点のない完璧な人生を目指していました。そして東大に落ちた瞬間というのはそれが壊れた瞬間でした。

こうして浪人することになるのですが、浪人中にどんなことをしてどういうふうに立ち直ったのか、また現在東大受験の失敗をどのようにとらえているのかについてはいつか書きたいと思っています。

反省点

こうして受験は二度もチャンスが与えられていながら惨敗に終わるわけですが、僕が思う反省点について書いておきたいと思います。

・総じて思い上がりすぎており、自分を客観的にとらえられていなかった

・楽観的に考えすぎていた。

・せめて直前にちゃんと勉強しておけばよかった。

・数学は緊張して落とすことがあるという可能性を考えて計画すべきだった。他で取り返せるという安心感を持って受験するほうが数学でも普段の実力を発揮することができる。